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2026/1/31
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令和7年度行政書士試験の発表を受けて |
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私は予備校の仕事をしていますが、今回は予備校とは関係なく、私個人の意見として書きます。 1月28日に、令和7年度の行政書士試験の合格発表がありました。 合格率は14.54%という、平成以降では3番目の、非常に高い合格率でした。 私は以前書いたとおり、上から数えて11.0%を基準にして、受験生の人数や出来を考慮の上、前後0.3%位のところで調整する、10.7~11.3%の相対評価にするべきである、というのが持論です。5年間、何千通と言う模試、答練の記述式の添削をやって受験生のレベルを知り、8年間、記述式民法の制作のため過去問を研究し、自身も行政書士登録をしている立場からの持論であり、個人的な意見ではありますが、自信を持った意見です。行政書士の無資格者が、合格者が増えるのはいいことだ、と安易に語るのとはわけが違います。 私は、12%以上になると、本来、法律家と呼ぶにはふさわしくない人たちまで合格させてしまっているという考えなので、14.54%というと、タガが外れた状態、法律家と呼ぶには厳しい人たちまで、相当数合格させてしまっている状態だと思います。 ただ、行政書士は公務員OBの特認が大量に存在する資格であり、中には相続人の判定すらできない人もいます。新人研修で、明らかに特認とおぼしき年配の行政書士が、滅茶苦茶な質問をして、講師や試験合格者を失笑させる場面も、何度か目撃しています(今は廃業されて見られませんが、同様のことを書いていた他会の方のブログもありました)。特認の何が問題かというと、公務員試験で法律をある程度能力担保されているというのが建前なのですが、今は厳しくなったものの、地方公務員(特に小さな自治体)の裏口は、決して少なくありませんでした。現に私の大学の同期は、裏口で小さな町役場(後に大きな市へ合併)の公務員となりました(試験を受験すれば必ず合格させる密約があり、全くの無勉強で受験し、合格しました)。また、昔は公務員試験を受けない非正規から正規への昇格もありました(私の親族にもいます)。つまり、公務員試験を受けていないのに行政書士資格を得ている特認は、決して少なくないと思われます。そもそも、公務員試験を受けていたとしても、22歳前後で公務員試験を受けて、その中に法律科目もあった、それから40年近く経てば、行政書士になってもいい、それ自体が、かなり無理があると思います。しかし、そのようなことを漫然と認めていた背景から、試験を緩くすることに、抵抗はなかった可能性はあります。 また、他の管轄の省庁の試験は意識していないとは思いますが、現在の司法試験は40%を超える異常に高い合格率のため、合格率を上げることにも抵抗のない空気はあったかと思います。 最後に行政書士試験の合格率が一桁だったのは、10年前の平成28年度試験でした。この10年で、合格率12%以上だったのは6回、直近では4年連続で続いています。11%ほどの適正値に戻る可能性もゼロではありませんし、そのような心づもりはした方が良いかとは思いますが、12%以上で固定されてきた感も、正直あります。 合格率13.98%の令和5年度試験の発表の後、「行政書士試験は普通の試験になった」「やっぱり行政書士は入門資格だ」という意見がネットで見られましたが、令和5年度試験よりも更に高い合格率となった現状を見ると、「行政書士は宅建に次ぐ入門資格」という位置づけは(昔からそうだったのかもしれませんが)、固定されてきたかな、と思います。 |
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