2025/3/19
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直前期の量の絞り込みが甘いからベテラン受験生になる |
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私の司法書士試験合格は超長期でしたが、戦略的には、直前期の量の絞り込みが甘かったことが、大きな要因だと思います。私に限らず、真面目に勉強していても受験が長期化してしまっている受験生の大半が同様だと思います。そこで、直前期の量の絞り込みについて書いてみたいと思います。あくまでも私見であり、下記の数字は抽象的な話ですので、気軽に読んでみてください。 まず、司法書士試験の試験範囲で出題可能性のある知識は、無尽蔵にあります。めったに出ませんが、時折、条文や判例、通達などの明確な根拠のない、学者の通説的見解も出ますし、見解問題では、文献にもない出題者のオリジナルな見解も出ています。そのような受験生に準備ができないものを除いた、根拠のある知識に限った場合、出題可能性のある知識量を10とすると、最も知識量の多い合格者でも、9を取得していることはないと思います。しかし、ここではわかりやすく、最も知識量の多い合格者の知識量を、9と仮定します(なお、最も知識量の多い合格者がトップ合格できるとは限りません。)。そして、合格者の平均の知識量を7.5、運に関係なく合格できる最低量を6、強運に恵まれれば合格できる最低量を5.5とします(一発合格者の大半が、5.5~6だと思います。)。 この場合、受験生としては、どの程度の知識量を目指すべきでしょうか。やる気と時間のある2年目、3年目ぐらいの受験生は、どんなに勉強しようが、毎年、未知の知識が一定量、出題される恐怖から、9を目指したりします。しかし、受験が3年目、4年目ぐらいになると、少しは現実的になって、やや目標とする知識量を減らすようになります。ベテラン受験生のうち、フルタイムで働いていない人で8.5、フルタイムで働いている人で8ぐらいを目指している人が多いかと思います。今年こそは受験を終わらせたい、もうこんな生活は続けたくない、そんな気持ちが、そうさせるのだと思います。 しかし、現実にはこなせないので、直前期に言われる「量の絞り込み」を考えだし、直前期には、少しは減らすようになります。その削減後の量は、フルタイムで働いていない人で9~8.5の目標を8に、フルタイムで働いて働いている人で、8の目標を7.5にする程度かと思います。 私見ですが、取得した知識量が合格者の平均の7.5を超えたあたりから弊害が出始め、8になると、はっきりと弊害が出ると思います。最も大きな弊害として、いわゆる「ど忘れ」が起こり、基本的な知識がぽろぽろと抜け落ちてきます。次に、似たような知識が増えると、問題を解くときに、素直に肢を切りづらくなります。つまり、知識量の多いことが、足枷になるのです。 また、海外の大学の実験でも実証されているのですが、人間は、見積が甘い生き物で、現実にはこなせない量をこなせるとして見積もります。そうやって、真面目に勉強している受験生が、やり残したことに挫折感を抱いたまま受験して落ちて、苦しむことになります。特に真面目でやる気と根性のある受験生にその傾向は強いと思います。若い頃の私もそうでした。 私見ですが、受験生が目指すべき知識量として、まずは「全科目満遍なく」5.5を目指します。これだと、家庭の事情や健康上の理由など、アクシデントがあっても、土俵には乗れます。次に、全科目満遍なく6を目指します。取り敢えずはそれで十分です。その後は余裕を見て6.3を目指しても良いですし、多くても6.5を達成できたら、後は記述式に力を注ぐべきです。最悪なのは、ある科目は8.5あるけれど、一部の科目は5しかないような、ムラのある量の場合です。これをやっている限り、落とされても文句は言えないと思います。 私は6.3もあれば十分だと思っていましたが、超ベテラン受験生だったので、頭に染み付いた知識も多かったことと、教材制作の仕事をやっていたので、必然的に知識は多くなり、現実には、合格した年は、7.3は身に着いていたと思います。それでも、知識量は、合格者の平均でも多すぎると思っていたので、それよりも下回るよう、常に意識して、「出題の可能性はあるけれど、合否に差の付かない知識」は、極力捨てるよう、心がけていました。合格者の平均よりはやや少ない知識量でしたが、知識を厳選していたので、中身の濃い知識だったと思います。結果的には、合格者の平均を上回る、まあまあ高い点数で合格できました。 もし、直前期にどの程度減らしてよいか迷ったら、周りから「それしかやなくて大丈夫!?」と言われることを基準にして、勇気をもって、大胆に見切ってください。まずは満遍なく、大胆に減らした範囲でやってみる。余裕ができれば、ほんの少し上乗せすればよいのです。 根性で何とかしようと、直前期になっても8を目指すのは、勇気がない証拠だと思います。根性があっても大胆に量を絞る勇気がない者が、必要のない努力をして結果を出せず、苦しむことになります。どうか、勇気を持って、大胆にやることを絞ってください。 |
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