2025/2/19

受験仲間がいなくても問題ない

 私が資格試験の勉強を始めた頃は、インターネットが普及されていませんでした。そのせいか、難関資格の受験において、受験仲間が大切のように言われることも多かったです。確かに、受験仲間がいれば、情報収集できますし、励まし合うこともできます。しかし、ネット全盛の現在は、予備校の授業も配信で受講する人が多いかと思います。したがって、生クラスの講座を受講しない限り、受験仲間はできづらいかと思います。そこで、難関資格の受験において、本当に受験仲間が必要か否か、私見を述べてみたいと思います。

 あくまでも私見ですが、私は、難関資格の受験において、受験仲間がいることは、デメリットの方が大きいと思っています。一番のデメリットは、順調に合格できなかった時に、取り残された感が強く、不合格時に、より苦しむことになることです。宅建クラスの資格でしたら、努力が結果にほぼストレートに反映されますから、取り残された感に苦しむことはないと思います。行政書士も、宅建ほどではないですが、まあまあ努力が結果に反映されます。特に近年のように試験が易化していれば、「何であの人が合格して、自分は合格できないんだ。」と苦しむことは、ほぼないと思います。

 ところが、予備試験、司法書士クラスで不合格になると、さして学力に差がない仲間で合格した者と比較して、「何であの人が合格して、自分は合格できないんだ。」と苦しむことになります。困ったことに、合格者で、不合格だった受験仲間に対してマウントを取り始める人、急に偉そうなことを言い始める人、頼まれてもいないのに説教じみた一方的なアドバイスをしてくる人は少なからずいます。私は超長期合格者だったので、結構やられました。また、そこまではいかなくても、不合格で苦しんでいる仲間の前で、空気も読まずに口述試験や研修、事務所の就活、合格祝賀会の話題でワイワイ盛り上がる人も、少なからずいます。これは、予備校スタッフあるあるですね。自分はやられて嫌だったと言っていたのに、合格したら同じことをしていた人もいました。ああ、この人、こんな性格してたんだ、と合格発表後に、見たくない嫌な一面を見せつけられたことが、多々ありました。本人が自覚していないだけに、本当にたちが悪いと思います。このような残念な合格者は、老若男女問わず存在します。不合格は、ただでさえ苦しいのです。他人に自分の傷口に塩を塗られる必要はありません。

 ネット配信の講座が全盛の現在、都会に住んでいても、受験仲間がいない方は、多いと思います。地方在住の方でしたら、なおさらでしょう。でも、それで良いと思います。本試験では、誰も助けてくれません。難関資格の本試験において、最初から最後まで、全てが思い通りにいくことは、まずないと思います。合格者でも、それなりにピンチの場面はあるはずです。私が合格した本試験でも、ピンチの場面はありました。その時に、頼りになるのは自分一人なのです。私は、信頼できる講師の方には、長い間相談に乗ってもらっていました。でも、受験後半は、「受験仲間」というものは、作らないようにしてきました。

 孤独に強くなれとは言いません。でも、本試験の場では誰も助けてくれない、自分だけが頼りなのだということは、知っておいていただきたいと思います。受験仲間が不要だとも言いませんし、本当に良い仲間に恵まれたら、それがベターかもしれませんが、受験仲間が一人もいない状態で勉強することに全く問題ないことも、知っておいていただけたらと思います。