2025/2/2

令和6年度の行政書士試験の発表を受けて

 平成29年度行政書士試験の高すぎる合格率15.72%は異常でしたが、令和5年度の13.98%もなかなかに高過ぎて、私は、問題のある数字だと思っています。

 私は、以前も書きましたが、行政書士試験の適正合格率は、11%を基準とし、受験生の出来も考慮し、±0.3%の幅を持たせる、10.7~11.3%の競争試験が適正値だと思っています。私は、長年、記述式民法の作問と模試の添削をやってきたので、この数値には自信を持っています。司法書士試験や司法試験に合格レベルにある者が添削をすると、行政書士試験の記述式の模試は、びっくりするほど出来が悪いです。受験生の9人に1人の合格率、これが限界だと思っています。これ以上増やせば、明らかに過剰な合格者を輩出していることになります。この10年でこの適正値に収まっているのは平成28年、令和2年、令和3年の3年だけであり、近年は必要以上に高い合格率であることがわかります。特に令和4年以降の合格率は12%以上と、高過ぎる数字であり、令和5年が約14%という異常に高い値であったことからも、令和6年度試験の合格率が注目されていました。

 結果、令和6年度試験は、合格率12.9%とという、ある程度予想された範囲内ではありました。令和5年が異常に高かったため、さすがにこれよりは下がるだろうとは思っていましたが、何となく、12%台は維持されるような気はしていました。ただし、12%台前半ならともかく、12.9%は、明らかに高過ぎる数字で、過剰な合格者を輩出している、問題のある合格率だと思います。

 一昔前は、行政書士と社労士が、難関一歩手前の資格の代表格でした。ところが、行政書士試験は易化、社労士試験は難化、令和6年度社労士試験の合格率が6.9%と、同年の行政書士試験の合格率よりも6%も低く、難易度の差は広がる一方です。現実問題として、現在は社労士は難関資格、行政書士は難関二歩手前の普通の資格といって差し支えなく、おそらく、もうその差が埋まることはないでしょう。社労士をここまで難化させる必要もなかったですし、行政書士をここまで易化させる必要もなかった、両資格とも、一昔前の難易度が、丁度よい塩梅だったと思うのですけどね。

 良い、悪いは別にして、行政書士は宅建に次ぐ入門資格になってしまった、それが現状だと、私は思います。