2025/1/16

相続土地国庫帰属制度による承認数(令6.12.31現在)

 相続により取得した土地が不要な場合、国庫に帰属させる、相続土地国庫帰属制度が開始され、昨年12月末の時点で、約1年8か月が経過しました。以前の記事では、令和6年10月31日現在の承認数を掲載しましたが、2か月後の令和6年12月31日現在は、どの程度承認されたのでしょうか。

 法務省のHPによりますと、令和6年12月31日現在で、申請件数は3,199件で、承認されたのが、1.186件です。前回と比べ、申請件数は349件、承認件数は213件の増加でした。承認の割合は約37%と、約34.14%だった前回よりも、2.86%上昇しました。前回の上昇率の3.93%よりも、伸び率は鈍化しました。伸び率の鈍化は、隔月の調査で3回連続なので、気になるところではあります。そろそろ承認の割合が、一定のラインで落ち着きつつあるのかも知れません。

 却下件数が前回の50件から1件増えた51件、不承認件数が前回の38件から8件増えた46件でした。前回、不承認がなかったのは、たまたまなのかもしれません。また、取下げが前回より79件増えた500件であり、こちらは前々回から前回への47件の増加よりも32件増えました。取下げは、隣地所有者からの引き受けの申出のようなポジティブなものもありますが、却下、不承認相当であることが判明したというネガティブな理由の場合もあるため、少々気になるところです。

 いずれにも当てはまらないものが1,416件であり、未だ44.26%が審査中と思われます。この数値は、前々回から前回の推移については、66.65%から48%へと、18.65%もの大幅な減少でしたが、今回の審査中事案の減少率は3.74%と減少割合が鈍化しており、審査中案件の割合も、落ち着きつつあるのかもしれません。

 承認の割合は未だ増加中ではあるものの、伸び率が鈍化していること、審査中案件の割合が減少しつつあるものの、こちらも減少率が鈍化しており、いずれも一定のラインに落ち着きつつあるのかもしれません。

 しかし、私も現在、田舎の不要な土地について相談を受けており、この相続土地国庫帰属制度による承認割合の増加と手続の迅速化は、期待したいところです。今後も法務省の発表には、注意したいと思います。