2024/11/20

相続土地国庫帰属制度による承認数(令6.10.31現在)

 相続により取得した土地が不要な場合、国庫に帰属させる、相続土地国庫帰属制度が開始され、本年10月末の時点で、1年6か月が経過しました。まさに節目の1年半です。以前の記事では、令和6年8月31日現在の承認数を掲載しましたが、2か月後の令和6年10月31日現在は、どの程度承認されたのでしょうか。

 法務省のHPによりますと、令和6年10月31日現在で、申請件数は2,850件で、承認されたのが、973件です。割合にして、約34.14%と、約30.21%だった前回よりも、3.93%上昇しました。前回の上昇率の6.19%よりは、伸び率は鈍化しました。伸び率の鈍化は、隔月の調査で2回連続なので、少々気になるところではあります。このまま伸び率の鈍化が続けば、承認の割合は一定のラインで止まる可能性も無きにしも非ずです。

 却下件数が前回の43件から7件増えた50件、不承認件数が前回の38件のままで、この2か月では、不承認はなかったことになり、これは特筆すべきことかと思います。申請件数が前回より262件増えていることからすると、前回同様、却下、不承認の上昇は抑えられてきていると思います。また、取下げが前回より47件増えた421件であり、こちらも前回よりも減っています。いずれにも当てはまらないものが1,368件であり、未だ審査中と思われます。この数値が前回の66.65%から48%へと大幅に下降しており、ついに、審査中が5割を切りました。審査が更に早くなってきていることがうかがえます。この点も、特筆すべきことかと思います。

 承認の伸び率が鈍化し始めていることは気がかりですが、却下、取下げが減っていること、不承認が2か月間なかったこと、審査中が大幅に減少し、5割を切り、審査が加速していることは、とてもポジティブなことだと思います。今後も法務省の発表には、注意したいと思います。