2024/9/28

若い人に特にお勧めしたい試験

 私は、36年資格試験に携わってきて、また、自身の社会人経験を踏まえて、若い人に最もお勧めできる試験があります。「資格」ではなく、「試験」になります。

 それは、公務員試験です。

 私は、経済産業省所管の科学技術系の財団法人で、10年超、契約関係の仕事をしていました。殆どが大手企業からの出向者で、経済産業省からの出向と天下りが各1名、あとは準公務員たる正規雇用社員でした。私自身は正規雇用の準公務員ではなく、非正規雇用でした。正規雇用とほぼ同じ内容の仕事を、正規雇用よりも遥かに低い賃金で働いていました(苦笑)

 公的機関あるあるで、正規・非正規の賃金格差の不公平感は、民間以上でした。具体的なことについては、別の機会に譲りますが、はたで見ていて思うのが、今の格差社会で、大手企業の正社員と公務員は、ある意味特権階級です。いやいや、大手企業の正社員や公務員も大変だよ、という声もあるかもしれませんが、敢えて刺激的な表現で言わせていただくと、それは、貴方とほぼ同じ内容の仕事を半分の年収でやっている非正規雇用を経験してから言ってください、と思います。

 大手企業の正社員の道は、大学受験で失敗してしまうと、ほぼ閉ざされます。その敗者復活戦が、難関資格試験合格か、公務員試験の合格です。公務員試験の良い所は、市役所、都道府県庁、国家公務員試験、その中での総合職、一般職、国税専門官などの専門職等、複数受けられることです。この複数受験によるリスク分散は、年に一度の難関資格試験にはないものです。大学生が「本気で」公務員試験を勉強していれば、どこかに受かるはずです。

 また、夕張などの財政破綻した地方自治体は別ですが、その安定感は、大手企業を上回ります。日本は公務員の社会的地位が高い理由の一つでもあります。安定を重視するのであれば、大手企業よりも公務員です。あまり具体的なことは書けませんが、10年超の財団法人の勤務で、つくづく実感しました。安定を重視すれば、ある意味、どんな難関資格の合格よりも最強です。

 そんなに公務員がいいなら、公務員になればよかったじゃん、と思われるかもしれませんが、公務員は、性に合う、合わないがあります。私自身は、新卒から定年まで公務員をやれるかと言われれば、厳しかったですね。最後は非正規雇用の雇止めでしたが、その少し前から、もう得られるものもなくなってきたし、性に合わないから、そろそろ潮時かな、とは思っていました。

 以上、難関資格にはない複数受験によるリスク分散、抜群の安定性という意味において、私は、若い人に対しては、公務員試験を強くお勧めします。公務員はどうにも性に合わないよね、という人以外は、検討に入れて良いと思います。