2024/9/7

経済的に余裕がない場合の資格勉強法

 資格取得のため、予備校の講座を受講すれば、当然、お金はかかります。特に最難関クラスであれば、最初の本科講座で何十万円も、中上級講座も含めれば、100万円以上はかかります。今は行政書士クラスでも、ゼロから本科講座を受講すれば、数十万円はかかります。したがって、資金面で資格取得に二の足を踏んでいる方も多いかと思います。私は予備校の仕事もしているので、資金面はケチらないよう、提言するのが筋かもしれませんが、それは私自身の本心とは異なるため、本音で話したいと思います。

 以前も書きましたが、未知の資格を勉強する場合、大抵は、勉強開始前の予想よりも、難易度が高いものです。また、思っていたほどは内容が面白くない、あるいは、性に合わない場合もあります。司法書士でいうと、ゼロからの本科講座(1年~1年数か月の講座)を生クラスで受講すると、最後の講義では、最初の講義の半分ほどしか出席者がいなくなるともいわれています。私は初期のLEC15か月講座の水道橋生クラスを受講していましたが、最後の講義は、最初の講義の3分の1も出席していなかったと思います。これは何を意味するかといいますと、何十万円もする本科講座を申し込んでも、半数以上は、「予想よりも難しくて自分には無理」「嗜好的に自分には合わない」といった理由で(殆ど前者だと思いますが)、リタイアしてしまったのだと思います。

 また、難易度や嗜好では納得していても、講師が合わない場合もあります。もう14年も前の話になりますが、私が大原の中小企業診断士一次試験の講座を受講した時も、良かったのは経営情報システムと、財務会計のファイナンスと経済学担当の二人の講師のみで、他の講師は、敢えてお金を出して受講する価値はないな、と思いました。唯一の合格科目である経営法務に関しては、1時間ほど講義を聞いてすぐに見切りをつけて、教材を使って独学で勉強して合格しました。以上のように、いきなり高額な受講料を払ってしまうのは、リスクがあると思います。

 そこで、私が提唱したいのは、興味のある資格があれば、市販の教材を使って、まずはメインになる科目を独学で勉強してみることです。その結果、難易度的に自分には無理だと思ったり、嗜好的に自分には合わないと思ったりしても、テキスト数冊分の出費で損切できます。

 難易度的に納得して、嗜好的に自分に合っていて、このまま勉強を進めたい場合、やれるところまで独学でやってみて、やっぱり本科講座できっちり勉強したいと思えばそうすれば良いですし、足りないところだけ予備校を使いたければ、それも良いと思います。

 個人的にお勧めしたいのが、独学で一通りやってみて、直前講座を中心に、どうしても予備校の講座で補いたいところだけ受講する、半分独学、半分講座受講です。この方法ですと本科講座の半分程度の費用で済みますし、最も現実的かと思います。

 ただし、FP3級、簿記3級、ITパスポートを超える難易度の資格は、1度は公開模試を受けた方が良いでしょう。公開模試の受講料だけは、ケチらないことをお勧めします。