2024/8/31

正攻法の就活で学歴フィルターを超えられても、専門性は身に付かない

 私は就職の専門家ではないので、以下、あくまでも私個人の見解ということでご理解ください。

 就活サイトを見ると、自己分析で強みを明確にする、OB・OG訪問を活用する等で、学歴フィルターを乗り越えたという体験談、方法が紹介されています。

 そのような正攻法の就活を一生懸命にやり、学歴フィルターを乗り越えるのは、悪くないと思います。でもそういった正攻法の就活で学歴フィルターを乗り越えられても、資格と言えば普通自動車運転免許しか持っていないような人は、終身雇用を前提としないこのご時世、就職後に、どうやって世の中渡っていけるのですか、と私は思ってしまいます。

 日本企業の正社員特有の、何の専門性(スキル)もないゼネラリストは、50歳を超えると市場価値はないと言われるぐらい、近年、厳しい逆風にさらされています。私は、世界的に見ればそれが当たり前だし、今までゼネラリストのままで通用したこと自体が、失われた20年、30年につながってきたと思っています。

 まだ定年後再雇用制度のなかった頃の話ですが、私は財団法人に10年勤務していたので、社員の大半を占める大手企業や官庁からの出向者について、仕事に対する取り組み方と人間性を冷徹に観察してきました。そこで、「人間性に問題のある高度な専門家」と「人柄は良いが専門性もスキルもないゼネラリスト」を比較すると、前者は定年後もなんだかんだ言って必要としてくれる組織があり、仕事を継続できましたが、後者は定年でスパッと切られているのを見てきました。現在は定年後再雇用制度により、定年ですぐに切られることはありませんが、再雇用の待遇に社員によって大きな差をつける企業も多く、専門性・スキルがないと、厳しい評価をされるのは事実のようです。

 正攻法の就活で乗り切るのは構いませんが、その前に、学歴フィルターで排除される学校の学生の場合は、専門性を身に付けるべきだと思います。その最も端的な方法が資格取得だと思います。高学歴をもてはやすくだらないTV番組が多いように、日本は学歴と大手企業の会社名で、それなりに勝負できてしまうため、学歴で上手く大手企業に入ったような人は、専門性を身に付ける努力をしない人が多いのです。

 高学歴でないというのは、専門性を身に付けて、専門性のない人達を追い越すモチベーションがあるのですから、ある意味チャンスです。学歴フィルターで排除される学校の学生さんこそ、早期に専門性を身に付けていただきたいな、と思います。