2024/8/20

FP2級は本当に50時間で合格できるのか

 国家資格である2級ファイナンシャル・プランニング技能士試験(以下「FP2級」といいます。)に50時間で合格したという人のSNSを、2名ほど見たことがあります。1級やCFPより難度は落ちますが、2級は一応、名刺に肩書を入れられますし、私も入れています。その資格を、本当に50時間で合格できるのでしょうか。

 FPは原則として1月、5月、9月の年3回試験がありますが、私がFP2級に合格したのは、平成21年の9月試験でした。司法書士試験が7月の第1日曜日なので、その10週後に受けた試験に合格しました。3級に合格したのが1年前である平成20年の9月試験で、FPとしては、丸1年のブランク後の勉強でした。何時間の勉強で受かったのか、今となってはわかりかねますが、3級から1年のブランク後で、フルタイムで働いていて10週間で合格したのなら、超短期かはともかく、かなりの短期合格になるとは思います。

 その私からの視点ですと、3級から1年もブランクを作ってしまったら、50時間で2級に合格するのは無理です。この50時間で合格したという人のうち、1名のブランクは定かではありませんが、1名は、3級試験の4か月後の受験でした。正直、50時間で2級に合格するには、3級試験から4か月後に受験すべきです。

 では、ブランクが3級から数か月程度でしたら、50時間で2級に合格できるかというと、私には想像できません。正直、過去問の強引な暗記以外、可能性はないかな、と思います。勉強法を紹介している自称50時間合格者も、色々と勉強方法を述べてはいますが、最終的には過去問の強引な暗記なのだろな、と思っています。50時間で理屈もわかって2級に合格できるのは、本物のギフテッドか、ドラえもんに暗記パンを借りたのび太君ぐらいのものだと思います。

 まあ、方法を一つの参考にするのは悪くないとは思いますが、真に受けると地獄行きになる可能性は十分あるかな、と思います。

 FPにかかわらず、資格の超短期合格者は、怖いですよ。

 なんだかんだ言って、「問題の相性という名の強運」に恵まれた者が多いですし、真似して失敗しても自己責任ですからね。

 資格は持っているか否かが重要で、合格までの期間を競う競技ではありません。

 超短期合格者の手法は、参考にしても良いとは思いますが、振り回されて自分のペースを乱すのは本末転倒ですので、ご自身の性格、置かれている状況も考慮しながら、ご自身が「自分はこれでいくんだ。」という軸を作って、ご自身のペースで受験していただきたいと思います。