2024/8/11

成年後見制度のスポット利用について

 認知症になった人が遺産分割協議などをする場合、成年後見に付す必要がありますが、たった一度の遺産分割協議等のためでも、成年後見を付すと、そのまま継続して、成年後見人を付けなくてはなりません。継続的に法律行為が必要な場合はともかく、たった一度の法律行為のために、これから先も月2~6万円という費用を負担するのは、かなりの重荷です。個人的にも、もっともな話だと思います。実際、たった一度の遺産分割協議のために、成年後見制度を利用するのは、費用的に厳しい、どうしたらよいか、という相談を受けたことがあります。

 そこで、成年後見制度のスポット利用も検討されています。「成年後見制度の利用促進に関する取組について  -令和3年11月以降- 令和4年5月法務省民事局」の15頁の(2)見直しに関する主な論点においても、「成年後見制度のスポット利用の可否」として、スポット利用を認めるべきということが取り上げられています。おそらく、数年後にはスポット利用が実施されると思われます。上の相談事例においても、その旨を話すと、その実施まで待つ、と安堵されていました。

 個人的には、もっと早く実現するべきだったと思います。一刻も早く、成年後見制度のスポット利用が実現されるようになってほしいと思います。