2024/7/30

難関一歩手前の資格にも取得に意義がある

 行政書士を難関資格と呼べるかは個人差があると思います。私は、平成15年、17年のような合格率2%台の年が難関資格、合格率9~11%の妥当な合格率の年で難関一歩手前の資格、近年のような13~14%という合格率が高い年ですと、難関二歩手前の資格という印象です。ネットでも、「行政書士はもう普通の資格になった」「行政書士はやっぱり入門資格」という声が出始めています。まあ、合格率9~11%の時代が長かったので、ここでは、難関一歩手前の資格ということにしておきます。簿記やFPも1級になるとほぼ難関に近いですが、履歴書に書けて、特に学生が何とか無理なく取得できる資格として、ここでは2級を想定します。そのほかには、難関一歩手前の資格として、宅建が想定されるかと思います。

 このような資格を取得することについて意義があるかについて、私は十分意義があると思います。例えば簿記ですが、経理の職に就くのに、なくてもできるけど、あればベター、といったところでしょう。そうであれば、取得しておくに越したことはないと思います。特に経理以外の仕事に就いていて、将来、経理も視野に入れているのであれば、十分、取得に意義があります。それでは、結果的に経理の仕事に就かないことになれば、取得は無意味であったかというと、そんなことはないと思います。興味はあったけれど、実際に経理の仕事に就くのは向いていないかも、と思えたのでしたら、それは一つの発見です。また、簿記の資格は持っていれば、投資や独立した時の自身の経理にも役立ちますし、取得して邪魔になる資格ではないと思います。それに、簿記やFPの良い所は、3級から初めて、徐々にステップアップできるところです。門外漢や、勉強に馴染みがない人でも、取っかかりやすく、合格すれば、徐々に自信を持てるようになります。ちなみに簿記は旧4級相当の日商初級簿記、全経基礎簿記があります。私は日商簿記3級に落ちたという死ぬほど恥ずかしい過去があるため(苦笑)、司法書士試験に合格する前年11月に、全経基礎簿記を受けて、満点で合格しました。その1週間後に、ITパスポート試験に合格最低点プラス5点で合格、更に3か月後に全経簿記3級に合格、ここで勢いをつけて、その4か月半後に受けた、司法書士試験に合格しました。

 宅建、行政書士、FP2級、AFP、パソコン検定、文書処理能力検定と、司法書士試験の発表待ちに受験できるめぼしい資格はあらかた取得してしまったため、残るは簿記とIT資格しかなくなったので、受験したのですが、小さな合格を次々と体験したことにより、司法書士試験の合格に繋げることができました。まあ、全経基礎簿記、ITパスポート、全経簿記3級は、難関一歩手前にすらならないレベルの資格ですが、私にとっては十分取得に意義がある資格であり、特にITパスポートの合格なしに、司法書士の合格はなかったと思います。

 また、行政書士に合格して、学歴コンプレックスが解消された、資格はこの辺で十分、という声も、ネットで見かけたことがあります。たとえその人が行政書士の登録をせず、資格そのものを生かさなかったとしても、その人なりの受験の意義があって良いと思います。

 いい歳して簿記なんて受けてどうするの?宅建なんて受けてどうするの?行政書士なんて受けてどうするの?と余計なことをいう人もいますが、それは本来、他人がとやかく言うことではありません。自分なりに明確な目的があって資格を取得するのでしたら、それはとても意義のあることだと、私は思います。