2024/6/25

資格ランキング、資格偏差値は無意味

 私は、巷の資格ランキング、資格偏差値は、全く無意味だと思っています。なぜなら、一人の人間がその資格をすべて受験して評価しているわけではないからです。そもそも主観によって変わりますし、ジャンルによる向き・不向きもあります。また、年度によって、資格の難易度は変わります。

 特に、ジャンルによる向き・不向きは大きいと思います。稀に法律系と会計系の難関資格を同時に有している方もいらっしゃいますが、レアケースです。大抵は、向いているのは法律系か会計系のいずれかだと思います。私も簿記3級を取得した時点で、会計系資格はあまり向いていない、公認会計士や税理士レベルは受験したくないな、と思いました(苦笑)

 そもそも、ジャンルの異なる難関資格を複数保有し、いずれも実務で一流になるのは、ギフテッドか並外れて勤勉でもない限り、ほぼ不可能です。実際、私は若い頃、司法書士と不動産鑑定士の兼業事務所に正社員として勤務していましたが、所長が見事に経営に失敗し、当時事務所内最年少だった私は、リストラになりました。

 法律系の難関資格を有しているからと言って、安易に会計系資格の難易度を語るべきではないし、その逆もしかりです。特に、資格試験の受験予備校に勤務したこともないのに、安易に他資格の難易度を語る人には、要注意です。

 また、このような資格ランキング、資格偏差値は、司法試験予備試験と司法試験を分けずに、単に司法試験としています。予備試験は合格率が4%前後で、近年の司法試験は合格率が約40%で、合格率に約10倍もの差があり、全くの別物です。これを分けていない時点で、資格ランキング、資格偏差値がいかに信用できないかがわかります。

 監査をやりたければ公認会計士、税務をやりたければ税理士、刑事訴訟や、金額に上限なく民事訴訟の代理人になりたければ弁護士、登記がメインで、簡裁の範囲で訴訟代理人になったり、後見をやったり、面白しい立ち位置の司法書士等、自身が本当にやりたい資格を目指せば、それで良いと思います。自分のやりたいことがはっきりとしていれば、ランキングも偏差値も関係ないと、私は思います。