2024/5/7

売れない負動産はどう処分したらよいか

 日本FP協会のFPジャーナル2024年2月号「スムーズな相続のための不動産の整理」に、遠方に所有する、評価額が低く山間部の利用しにくい、売れない土地、いわゆる負動産の処分の記事がありました。今回は、FPのアドバイスにより、税務署に相談し、廉価譲渡等に該当しないことを確認した上で、近くに住む遠縁の人に贈与し、登記費用をこちらで負担した、とのことでした。これは、負動産の処分としてはある意味理想かもしれませんが、かなりのレアケースだと思います。私も同様の相談を受けたことがありましたが、現地の市役所に寄付を持ち掛けたものの断られ、もう一人の相続人である現地の親類も不要で処分に困っているとのことでした。利用しにくい土地は、現地の人も不要と思う場合が大半ではないか、と思います。このFPの事案は、奇跡的に遠縁に引き取ってもらえた事案で、一般化できないように思います。まあ、本当にレアケースになるかとは思いますが、負動産の処分として、引き取ってくれそうな現地の親族を探すのは、一つの手法ではあると思います。

 私が相談を受けた方は、かなりの遠方の土地だったので、現地の法務局と司法書士に、相続土地国庫帰属制度の相談をするよう、アドバイスしました。司法書士会での無料相談だったので、その後どうなったのかまではわかりませんが、現状、それしかアドバイスできないかな、と思います。

 要件が厳しすぎると言われている相続土地国庫帰属制度ですが、今後も承認数の推移には注目したいと思います。