2024/5/6

相続リテラシー度調査

 MUFG相続研究所所長の入江誠氏の執筆による、KINZAI Financial Planの2024年5月号における、日本人の相続・遺言への意識と相続リテラシー(2)という記事が、なかなか興味深いものでした。

 インターネットによる5152名に対する相続に関する意識調査で、15項目の認識調査でした。意外だったのは、最も認知度が高いのが、相続税の基礎控除(3000万円+相続人の数×600万円)で、43.6%の認知度でした。市の法律相談でも、必ずと言ってよいほど相続税について尋ねられましたが、やはり、お金に関する関心が最も高いと思いました。反対に、相続登記の義務化の認知度が16.4%と、かなり低い数値でした。これは、司法書士としては、かなり危惧する数値です。当該記事では相続リテラシー度を認知度数ごとに分けていて、高いのが6個以上で24.14%、中程度で2~5個で33.9%、低いのが0~1で、41.9%と、予想以上に相続の基本的な知識を知らない方が多いのだな、という印象です。自分が代表的な立場で相続手続きをした人のリテラシーが高い傾向にあり、そうでない人のリテラシーが低い可能性があるそうです。当事者にならないと知識を身に着けようとしないのは仕方ない気もしますが、相続登記の義務化を含め、相続関係の基本的な知識の啓蒙は必要だと思いました。

 なお、相続登記に義務化について、(違反は罰金)と書かれていましたが、正確には、罰金ではなく、過料です。弁護士や司法書士のチェックが入っていなかったのでしょうね。刑事罰ではないので、その点は、誤解なきよう、お願いしたいと思います。