2024/5/3
|
|
被相続人や中間相続人が離婚・再婚を繰り返していた場合の問題点 |
|
昨年からかかわってきた相続案件で、中間相続人が3度結婚し、子が多くいた事例が3件ありました(うち1件が3回目の相手とも離婚)。結婚すると、通常は夫が筆頭者の新しい戸籍を作ります。この場合、離婚すると、多くは妻が実家の戸籍に復籍し、しばらくすると転居して、新たな戸籍を作ったりします。その子が成人して婚姻すると、子もまた転籍します。夫も離婚や再婚の際、転居して転籍する場合も多く、最終的な相続人の戸籍をそろえるのに、膨大な時間がかかります。この3件は、いずれも最終的な相続人の戸籍がすべてそろうのに、2か月ほどかかりました。離婚した親や離婚・再婚を繰り返す兄弟とは縁遠くなることが多く、全く面識のない義兄弟、甥姪、従兄弟や叔父叔母の存在が発覚したりします。このように、被相続人や中間相続人に離婚・再婚を繰り返し、子が多い場合、最終的に戸籍をそろえるのに、膨大な労力と時間がかかります。 特に問題があるのが、相続放棄の場合です。相続放棄は、自己のために相続の開始があったことを知った時から3箇月以内に家庭裁判所に申述する必要があるので、戸籍の収集に時間がかかる場合、間に合わなくなる可能性があるからです。裏技として、取り敢えず相続放棄申述書を提出し、戸籍の不足分を後で提出するという手もありますが、被相続人や中間相続人が離婚・再婚を繰り返していた場合は、できるだけ早く、専門家に相談していただきたいと思います。 |
|