2024/2/9

交際相手が既婚者であることを隠していた場合

 先日、ミス日本でグランプリを獲得した女性が、妻子ある既婚男性との交際が発覚、グランプリを辞退されました。男性が、離婚歴があると偽って交際を開始、後にまだ婚姻関係にあることが発覚しても交際を続けたため、不倫となったという事案でした。かつて、「センテンススプリング!」で話題となった女性タレントと男性ミュージシャンも、同様の事例でした。

 交際相手が既婚者であることを隠していて、後に既婚者だと気付いた場合、気付いた時点で交際を辞めればセーフ(知らなかったことに過失があり、ある程度の賠償を負う場合もあります。)、気付いた後も交際を継続すれば不貞行為となり、損害賠償の対象となるというのは、一般的にも知られています。ここまでは、法律論の問題です。

 今回は、これに対し、「既婚者とわかっても、そこですぐに辞めるのは難しい。好きになった気持ちは簡単には止められない。」といった論調で、女性を擁護するコメントを出す著名人も複数出ています。ここからは、道徳論や個々の価値観になりますが、個人的な意見を書いてみます。

 今回のケースとして、女性側について考えると、やったことは、男性の妻子を苦しめている、ということです。特に今回は男性も著名人であり、不倫が世間に公表された以上、妻子の苦しみは、非常に重いものとなります。特に、子供がいじめにあう可能性があることまで考えるべきです。妻子の苦しみを無視して女性を擁護するのは、想像力が欠如していると言わざるを得ないと思います。

 それと、少なくとも既婚者と気付いた時点で、引き返すチャンスはあったわけです。私は、「基本的には、やらない後悔より、やって後悔した方がマシ。」という考えです。ここで「基本的には」というのは、「違法なこととモラルに反することは除いて」という意味です。私でしたら、今回は、ギリギリのところで踏みとどまったと思います。

 また、そもそも最初に既婚者であることを隠していた時点で、相手は非常に姑息で不誠実だと思います。こんな姑息で不誠実な人間のために、様々なものを失うリスクを冒す必要はないと思います。

 男性側について考えると、不貞行為だけでも十分不誠実なのに、更に既婚であることを隠すのは、姑息で悪質であると思います。

 特に今回は、大きな夢に挑んで頑張っている者を、悪いことに引っ張り込むべきではなかったと思います(だからこそ、女性も踏みとどまるべきでした。)。

 最後に、法律家がこのような表現をするのは適切かわかりませんが、交際中に相手が既婚者だと気付いたら、それは、神様が与えてくれた、引き返すチャンスだと思います。この大きなチャンスを、無駄にすべきではありません。同様の状況にある方は、このチャンスを無駄にしていただきたくないと思います。