令和6年4月1日よりも前の相続について

　令和6年4月1日に相続登記の義務化が開始します。

　正当な理由がないのに3年を超えて相続登記を怠れば、10万円以下の過料に処せられるため、相続があったのにも関わらず、不動産の相続登記を怠っている方は、この過料を気にされているかと思います。

　この過料について、令和6年4月1日より3年以上前から相続登記を放置していた場合、令和6年4月1日に、即、過料の対象となってしまう、と誤解されている方がいらっしゃいます。

　これについては、令和6年4月1日より前に相続が開始した場合、「自己のために相続の開始があったことを知り、かつ、当該所有権を取得したことを知った日」と「令和６年４月１日」の、いずれか遅い日から３年以内に申請が必要となります。

　つまり、令和6年4月1日より前に自己のために相続の開始があったことを知り、かつ、当該所有権を取得したことを知った場合、令和9年3月31日までに相続登記を申請すれば、過料の対象とはならないことになります。

　とはいえ、相続登記を放置し、第2、第3の相続が生じると、事件は複雑化し、相続登記もより時間と費用がかかることになります。令和9年3月31日までに登記すればよいか、とのんびり構えず、早めに司法書士に相談した方が良いでしょう。