2024/7/22
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心情的には納得しがたい相続放棄の事案 |
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個人情報なのでぼかしますが、少々難しい相続放棄の相談がありました。亡くなった父親の相続放棄をしたのですが、それから後に亡くなった父親の兄弟(叔父叔母の関係です。)の遺した負債の請求があったという事案です。父親に関する相続放棄によって父方の親族との関係は切れており、もう父の兄弟についての相続放棄はいらないのでは、という相談でした。 結論から申し上げますと、改めて、父の兄弟についての相続放棄は必要かと思います。やはり、亡くなったのが父と叔父叔母では、被相続人が違うので、各々について、相続放棄が必要のように思います。民法887条2項の文言のみに着目すれば、放棄があれば代襲相続にならないようにも思えますが、被相続人が違ってしまえば、父親とは別に、相続放棄が必要になるかと思います。 父親について相続放棄をし、父方の親族とは切れてしまったので、もう父方の親族について相続放棄をする必要はないのでは、というのは、心情的にはとても理解できます。まして、叔父叔母(伯父伯母)について相続放棄をする場合、父親の相続放棄をするよりも、戸籍の量が増えるため、費用もかさみます。相談者の心情を考えますと、正直、やるせない事案でした。 |
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